新規入場者教育の進め方と動画活用術|建設業での義務と実施のポイント

新規入場者教育は、建設現場・製造工場などで広く実施されている安全教育です。労働安全衛生法に「新規入場者教育」という名称の規定はありませんが、同法第59条の雇入れ時・作業内容変更時教育と、第29条・第30条に基づく元方事業者の指導・統括管理を現場で具体化したものとして定着しています(詳細は後述)。しかし「毎回担当者が説明する手間がかかる」「現場ごとに内容がばらつく」「外国人労働者に伝わりにくい」といった課題を抱える企業が多いのが実情です。本記事では、新規入場者教育の内容・進め方と、動画を活用して効果・効率を高める方法を解説します。

目次

新規入場者教育とは

新規入場者教育とは、新たに現場や職場に入場する作業員(新入社員・中途入社・派遣・協力会社スタッフなど)に対して、作業開始前に実施する安全教育です。

労働安全衛生法第59条では、「事業者は、労働者を雇い入れたとき及び作業内容を変更したときは、当該労働者に対し、その従事する業務に関する安全または衛生のための教育を行わなければならない」と定められています。

新規入場者教育で実施すべき内容

業種・作業内容によって異なりますが、一般的には以下の項目を実施します。

  • 作業場所の概要と環境(立入禁止区域・避難経路・緊急連絡先)
  • 使用する機械・設備・工具の危険性と取り扱い注意事項
  • 有害物質・化学物質の危険性と保護具の使用方法
  • 安全作業手順と過去に発生した事故事例
  • 緊急時・事故発生時の対応手順

新規入場者教育でよくある3つの課題

⚠ 現場の課題
  • 担当者の説明に頼るため内容・品質がばらつく
  • 入場者が多い時期は教育に時間・人手がかかる
  • 外国人労働者や言語が異なるスタッフへの対応が困難
✅ 動画活用で解決
  • 動画で内容を標準化し品質を均一に保つ
  • 視聴後にポイントを補足するだけで担当者の負担を大幅軽減
  • 映像と英語字幕で言語バリアを低減

動画を使った新規入場者教育の進め方

STEP 1: 入場者に事故事例動画を視聴させる(10〜15分)

現場や作業内容に関連する事故事例動画を1〜3本視聴させます。映像で実際の事故シーンを疑似体験することで、「この現場にはこんな危険がある」という認識が深まります。

STEP 2: 担当者が現場固有の注意事項を補足説明(5〜10分)

動画視聴後に担当者が現場特有のルールや危険ポイントを補足します。動画で基礎的な知識が入っているため、担当者の説明時間を大幅に短縮できます。

STEP 3: 理解度の確認と質疑応答

視聴・説明内容について質疑応答を行い、不明点を解消します。必要に応じてテストや確認シートを活用します。

ZIKOZEROとNETIS登録(KT-220122-VE)

ZIKOZEROは、NETIS登録番号 KT-220122-VE として国土交通省の新技術情報提供システムに登録されています。公共工事現場での新規入場者教育にもご活用いただけます。公共工事において施工者選定型等で活用し、発注者が定める手続・評価条件を満たした場合、工事成績評定の加点対象となることがあります。加点の有無や条件は工事・発注者によって異なるため、事前に発注者へご確認ください。

建設業向けの詳しい活用方法は建設業向け安全教育動画サービスのページもご覧ください。

よくある質問

Q. 新規入場者教育に動画を使うことは法的に認められていますか?
A. はい、労働安全衛生法では教育の手段・方法に動画使用を禁止する規定はなく、動画を使った教育は適法です。ただし、現場固有の危険事項は動画だけでなく口頭での補足説明を組み合わせることが推奨されます。

Q. 毎回同じ動画を使い続けてもよいですか?
A. 基本的な事故事例は繰り返し使用できます。ZIKOZEROは毎年新しい事故事例を10本程度追加しているため、定期的に最新のコンテンツに更新することで、繰り返し視聴による「慣れ」を防ぐことができます。

Q. NETISとは何ですか?公共工事での活用に必須ですか?
A. NETISは国土交通省が運用する新技術情報提供システムです。ZIKOZEROはNETIS登録番号 KT-220122-VEとして登録されています。公共工事で活用し、発注者が定める手続・評価条件を満たした場合、工事成績評定の加点対象となることがあります(条件は工事・発注者により異なります)。詳しくはNETISページをご覧ください。

新規入場者教育の法的な位置づけ

新規入場者教育について、「法律で直接義務づけられた教育」と誤解されることがありますが、正確には労働安全衛生法に「新規入場者教育」という名称の規定はありません。実務上は、次の2つの法的枠組みを現場で具体化したものとして実施されています。

枠組み内容義務者
安衛法 第59条
雇入れ時・作業内容変更時教育
労働者を雇い入れたとき、および作業内容を変更したときに、従事する業務に関する安全衛生教育を行う。これは法律上の義務その労働者を雇用する事業者
(協力会社の作業員であれば協力会社)
安衛法 第29条・第30条
元方事業者・特定元方事業者の措置
関係請負人およびその労働者に対する指導、作業間の連絡調整、現場の危険防止措置などを講じる。新規入場者教育はこの一環として元請が実施する運用が一般的。元方事業者・特定元方事業者
(建設現場では元請)

※ 現場によっては、協力会社が第59条の教育を実施したことを前提に、元請が現場固有のルール・危険箇所を説明する形で新規入場者教育を行います。両者は目的が異なるため、「新規入場者教育を行えば第59条の義務を果たしたことになる」わけではない点に注意が必要です。

新規入場者教育で扱うべき主要項目と動画活用のポイント

教育項目 法的根拠 動画活用のポイント
機械・設備の危険性安衛法第59条機械巻き込み・挟まれ事故の再現映像
作業手順・安全基準安衛法第59条手順違反による事故の比較映像
整理整頓・通路確保安衛則第25条通路散乱物による転倒事故映像
保護具の着用安衛則第593条保護具なしによる受傷の映像
緊急時の対応安衛法第25条事故発生後の初動対応の手順映像

※ 表中の法令は各教育項目の内容が根拠とする条文です。新規入場者教育そのものを直接定めた規定ではありません(前掲「新規入場者教育の法的な位置づけ」参照)。

新規入場者教育への動画導入をご検討の方へ

参考資料・出典

公開日:2026年07月30日 / 最終更新日:2026年8月10日
監修:株式会社ジコゼロ(労災事故CG動画配信サービス「ZIKOZERO」運営/NETIS登録番号 KT-220122-VE)
本記事の法令・統計に関する記述は、記事末尾に記載した一次資料に基づいています。制度は改正される場合がありますので、実務にあたっては最新の官公庁公表資料をご確認ください。
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